カルシウム吸収の秘密

カルシウム吸収のイメージ

カルシウムの一部は、小腸の粘膜を拡散により通過して体内に吸収されます。

そして、この粘膜は浸透圧を利用して体内へカルシウムを吸収しており、カルシウムが小さいイオンになった時ほど体内への吸収率が高くなる性質を持っています。

水に溶けるから吸収率が高い

水に溶けてできるカルシウムイオンは、水に溶けないカルシウムと比べて、大きさがとても小さいです。そのため、小腸の粘膜を通過して体内に吸収されやすくなります。これが、水に溶けるカルシウムの特徴です。

カルシウム生体利用率

※牛乳には水に溶ける可溶性カルシウムが約30%含まれていますが、約70%はタンパク質にくっついていたり、細かく分散しています。また、牛乳から分離したミルクカルシウム(リン酸カルシウムが主成分)は水に溶けません。

出典:『COMPARISON OF SIX DIFFERENT CALCIUM SOURCES AND MEAL TYPE ON TRUE FRACTIONAL CALCIUM ABSORPTION IN POST MENOPAUSAL WOMEN (2003)』

乳酸一口メモ

スポーツ飲料に含まれている乳酸カルシウム、実は疲労の原因ではありません。

激しい運動をすると体内に乳酸が溜まり、疲労の原因になると聞く事がありますが、実は乳酸は重要なエネルギー源として溜まることなく、すみやかに利用されています。乳酸は毎日体内で体重60kgの人だと約120g作られ、エネルギー成分として心臓や筋肉で利用されています。

運動中に上昇した血液中の乳酸も、エネルギーとして利用されて1時間弱で通常の濃度に戻ります。病院で点滴をするとお世話になる輸液にも乳酸イオンが含まれています。乳酸イオンは、手術後や病気で体が弱ったり、疲れた時でも体内で効率よくエネルギーとして利用されるため、輸液にも含まれているのです。

参考文献:乳酸を活かしたスポーツトレーニング(八田 秀雄; 講談社 2004)