カルシウム摂取が腎臓結石予防に!

時々「カルシウムを多く摂ると腎臓結石ができる」という理由で、カルシウムを摂取することを心配する声を耳にすることがあります。本当に、カルシウムをたくさん摂ると腎臓結石ができるのでしょうか?
今回はカルシウム摂取と腎臓結石がどのように結びついているのかについて解説します。

腎臓結石とは、尿に含まれるカルシウムとシュウ酸やリン酸などが、何らかの原因によって高濃度になり、結晶化して石のように固まるもので、結石が尿路のどこにあるかによって、腎臓結石、尿管結石、ぼうこう結石などに分けられます。特にシュウ酸は高濃度のカルシウムに出会うと結合して、結石の元を作りやすい物質ですので、腎臓に多量のカルシウムとシュウ酸が移行しないようにすることが腎臓結石の予防につながります。

通常カルシウムの摂取量が多いと、腸管内にも十分に存在するカルシウムがシュウ酸と結合して腸管内でシュウ酸カルシウムとなり、便として排泄されます。その結果、シュウ酸の吸収が少なくなり、尿中に移行するのを抑制することができます。
ところが、カルシウム摂取が不足していると、カルシウムと結合できなかったシュウ酸がそのまま腸管から体内に吸収され、カルシウム不足のために骨から動員されたカルシウムと結合してかえって結石ができやすくなります。

カルシウムが不足すると腎臓結石が出来易くなります。

このように、カルシウムを十分に摂ることは腎臓結石を予防する上でも重要な役割を果たします。また、腎臓結石の予防には、水分補給をしっかり行い、脂肪を少なく摂ることも大切だと言われています。
カルシウムは摂りすぎより、足りないことが心配ですね!十分にカルシウム摂っていますか?

(注)高カルシウム血症(代謝異常やホルモン異常)、極端な高カルシウム摂取(2,300mg/日以上)の場合は、これに当てはまらない場合もありますので、専門医にご相談ください。

参考:
尿路結石http://www.kiichi.com/hinyouki/stone/stone.html
きょうの健康ホームページhttp://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2012/04/0423.html