花粉症とカルシウム

春の日差しが心地よいこの季節、アウトドアを楽しむ絶好の季節ですが、「花粉症」の人にとってはお出かけがつらい季節でもありますね。

今回は「花粉症」と「カルシウム」の関係についてお伝えします。

人の体に外から細菌やウィルスのような異物が侵入してくると、その異物に対抗する抗体を作って体を守ろうとする免疫反応が起こります。 免疫反応は、病原体などの異物から体を守る防衛システムです。 しかし、この体を守る働きをしている免疫反応が過剰に反応を起こすと体に有害な反応、アレルギー反応を起こします。これが花粉症です。

免疫とカルシウムの関係でお伝えしていますが、異物が外から入ってきたことを知らせる情報伝達の役割を果たすのがカルシウムです。

通常、細胞内のカルシウムの濃度は非常に低く保たれています。 細菌やウィルスが体内に侵入してくるとカルシウムがその情報をキャッチし、細胞内に入り込んで情報を伝えます。すると細胞から細胞へと情報が伝えられ、抗体が作られます。 免疫を受け持つ細胞と抗体の働きで、異物を処理して体の中で広がらないようにしています。これが免疫反応です。

血液中のカルシウムが不足してくると、骨のカルシウムが血液中に溶け出し、さらに細胞内へも流入し、細胞内のカルシウム濃度が高くなってしまいます。 すると情報をキャッチしたカルシウムが細胞内に入り込んできても情報がうまく伝達できなかったり、誤った情報を伝えて過剰な免疫反応、つまりアレルギー反応を起こしてしまったりするのです。

このような反応を正常に機能させるために、カルシウムは重要な役割を果たしています。 また、慢性的なカルシウム不足により、細胞内にカルシウムが流入すると炎症反応が惹起されることもわかっています。

アレルギー症状を悪化させないためにも、カルシウム不足にならないようにすることが大切です。 日々の食事にカルシウムの多い食材を取り入れたり、サプリメント等を利用して意識的にカルシウムを摂取するよう心がけましょう。

 

参考:藤田拓男「カルシウムのすべて」(株式会社あき書房)